助成団体より
日本財団会長 笹川陽平
日本財団がメリーランド大学におけるプランゲ文庫の資料の保存に携わって以来、今年で10年目を迎える。メリーランド大学で歴史を教えていたプランゲ博士は、連合軍総司令部の民間検閲局が保管していた1945年から1949年の戦後の実態を示す多岐にわたる膨大な資料に歴史的な価値を見出し、これらの資料がメリーランド大学に譲渡されるよう尽力された。メリーランド大学は劣化が激しい資料のうち、雑誌のマイクロフィルム化と目録作成を1992年に開始した。日本財団は1998年の新聞のマイクロフィルム化に始まり、教育関連図書のオンライン目録化に至るまで支援してきた。
この度、「ゴードンW.プランゲ文庫教育図書目録」が関係者の努力で上梓された。日本財団は、これまでプランゲ文庫資料の保存以外にも台湾総督府公式文書の目録化、旧満鉄関連資料の目録化、神田ニコライ堂で知られるニコライ神父の日記復刻などの歴史資料保存事業を支援してきた。散逸・消滅の危機にある重要歴史資料を保存することは、人類共通の財産として我々に課せられた責務であり、これらの資料は歴史を直視して輝かしい未来の創造のために活用していただきたいと願っている。
2006年、日本は60年ぶりに教育基本法の改正を行った。奇しくも同法は、まさに連合軍総司令部が日本国内の出版物を検閲していた1947年に成立した。この度、プランゲ文庫所有の教育関連図書が目録化されたことは、日本の教育を論じる上で時宜にかなったものといえよう。これらの資料が、教育のみなら ずこれからの日本を研究する上で重要な役割を果たすことを期待してやまない。
